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国際セーフアボーションデーにあたり、中絶ケアの制度・提供体制の見直しを求める要望書

11 分前
読了時間: 4分

氏名(任意) 一般社団法人RHRリテラシー研究所 代表理事 塚原久美


メールアドレス rhr.lit.inst@gmail.com


種別  ご要望


件名  国際セーフアボーションデーにあたり、中絶ケアの制度・提供体制の見直しを求める要望書


内容

 一般社団法人RHRリテラシー研究所は、性と生殖に関する健康と権利、特に中絶をめぐる制度、医療、情報、スティグマの問題について、調査研究、情報発信、研修等を行っている団体です。

 9月28日の国際セーフアボーションデーにあたり、当研究所では今年もオンラインイベントを開催し、日本の中絶をめぐる制度、スティグマ、アクセス、価値観について考える機会を設けました。また、国内外の動向を紹介する「リプロ・ニュース」国際セーフアボーションデー記念号も発行しました。

 こうした活動を通じ、女性の生殖に関する権利のための世界ネットワーク(WGNRR)が2026年の行動呼びかけで掲げている要請を踏まえ、日本においても以下の施策を進めることを要望します。

 中絶を不可欠な医療として明確に位置付け、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジおよび公的な保健医療システムの中に包括的な中絶ケアを組み込んでください。

 中絶を刑罰の対象とする制度を見直し、中絶ケアへのアクセスを遅らせ、または妨げている法的、行政的、経済的、制度的障壁を撤廃してください。英国のイングランドとウェールズでは、2026年4月に成立した法律により、自ら妊娠を終わらせた人を堕胎罪に問わないこととされ、自己堕胎が脱犯罪化されました。北アイルランドでは、すでに2019年に堕胎罪の規定が廃止されています。一方、日本の刑法には今も自己堕胎罪が残り、妊娠した本人が処罰の対象とされています。少なくとも妊娠した本人を刑罰の対象から外すことを、速やかに検討してください。

 安全で、適切な時期に、負担可能な費用で、プライバシーが守られ、偏見のない中絶ケアを受けられる体制を保障してください。そのために、品質が保証された医薬品へのアクセス、適切な研修を受けた医療従事者の確保、必要な場合の紹介体制、中絶後のケアを整備してください。

 世界保健機関(WHO)の中絶ケアガイドライン等の国際的なエビデンスを踏まえ、適切な医療的支援を伴うセルフケア中絶、遠隔医療、地域に根差したケアなども含め、中絶ケアをより利用しやすくする方法を検討してください。特定の医療機関や地域にサービスが集中することによるアクセス格差の解消も必要です。

 経口中絶薬の規制についても、早期の見直しを求めます。韓国政府は2026年9月16日、経口中絶薬を今後承認し、公的医療体系の中で導入する方針を発表しました。導入後の2年間は医療機関で医師が直接処方・調剤することを原則とし、副作用や安全性の検証を経て、段階的に提供方法を拡大するとしています。導入の段階で、規制を緩める時期の目安が示されているのです。日本では、2023年にメフィーゴパックが承認・発売されてから3年以上が経過しました。しかし、「当分の間」とされた入院設備のある医療機関での使用や、使用数量の毎月の報告など、承認当初の厳重な管理が続いています。日本ではこれまでも「まず厳しく、後で緩める」として医薬品が承認されてきましたが、承認後に規制緩和が実現しない状態が繰り返されてきました。国内での使用実績と国際的なエビデンスに基づき、メフィーゴパックの使用条件を速やかに見直すとともに、見直しの工程と時期を明らかにしてください。

 中絶を必要とする人が、年齢、居住地域、経済状況その他の事情によって不利益を受けないようにしてください。若者を含め誰もが、正確で理解しやすく、科学的根拠に基づいた避妊、中絶その他の性と生殖に関する健康情報を得られるようにするとともに、包括的性教育を推進してください。

 医療の場では、プライバシー、守秘義務、十分な説明を受けたうえで本人が意思決定する権利、非差別を保障してください。医療従事者の個人的価値観や偏見によって、必要な医療へのアクセスが妨げられない仕組みも必要です。

 法的に受けることのできる中絶ケアが不当に拒否された場合や、中絶ケアの過程で差別、強制、偏見、虐待などを経験した場合に、安心して相談し、苦情を申し立て、適切な救済につながることのできる仕組みを整備してください。

 災害その他の緊急事態においても、避妊、中絶、中絶後のケアを含む性と生殖に関する医療を継続して受けられる体制を整えてください。

 また、中絶に関する保健医療政策やサービスの策定、実施、評価には、実際に中絶ケアを必要とする人や当事者、支援者、専門家の意見を意味のある形で反映してください。

 中絶は、特別な例外として扱うのではなく、人びとの健康と尊厳を守るために必要な医療の一部として提供されるべきです。国際的な人権基準と最新の医学的エビデンスを踏まえ、日本の中絶ケアの制度と提供体制を見直すことを求めます。



 
 
 

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