問題の所在 本日の学習会のポイントをまとめておきます
日本では従来「搔爬」が多用されていることが指摘されてきた。WHOは2012年から「D&C(Dilatation and Curettage 頸管拡張搔爬法)は、より安全な方法(=中絶薬かVA)に切り替えるべき」と指導するようになった。これを受けて昨年厚労省は、VA周知を関係団体に依頼した。
従来、日本の「搔爬」はD&Cにあたると考えられてきた。だが、4月の医会資料によって、日本では搔爬を行う前に鉗子で内容物をつかみ出す「子宮内容除去術」が標準的であることが判明した。
この子宮内容除去術は、1950年の日本産科婦人科学会雑誌に載っており、当時から、「ラミナリア」、「鉗子」、「キュレット」は必須の構成要素と考えられていた。日本ではこの方法がエビデンスもなく踏襲されてきた。
「鉗子」は妊娠産物が小さすぎると使えない。海外では鉗子で内容物を取り出すのは、中期中絶の推奨法であるD&E(Dilation and Evacuation)に当たる(ただし、その後は搔爬ではなく吸引で終わらせる)。
「鉗子」を使うのが標準的なために、日本では中絶が先送りされていないか、確認が必要である。
鉗子を使うためには「キュレット」のみで搔爬を行う場合に比べて、より広く「頸管」を開大する必要もあり、患者へのリスクと負担が増す。搔爬自体に問題があるばかりか、妊娠早期の中絶に鉗子を使うことも問題ではないか。
以下で、今回の資料をダウンロードできます。(学習会で配布した資料よりバージョンアップしています。)
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