女性差別撤廃条約一般勧告(リプロ関連抜き書き)

更新日:2月15日

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一般勧告第 19 号 女性に対する暴力(第 11 回会期、1992 年)


条約の特定の条項に関するコメント

第 16 条(及び第5条)

22. 強制的な不妊手術又は中絶は、女性の身体的及び精神的健康に悪影響を及ぼし、子の数及び出産の間隔を選択する女性の権利を侵害する。

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一般勧告第 21 号 婚姻及び家族関係における平等(第 13 回会期、1994 年)


第 16 条1(e)

21. 子を産み育てるという女性の責任は、教育、雇用及びその他の個人的発展に関する活動を享受する機会に対する女性の権利に影響を与える。かかる責任はまた、労働に関する不平等な負担を女性に課す。子の数及び出産の間隔も女性の生活に同様の影響を与え、また子の身体的及び精神的健康とともに、女性の身体的及び精神的健康に影響する。このような理由により、女性は子の数及び出産の間隔に関して決定する権利を有する。



22. いくつかの報告により、強いられた妊娠、中絶もしくは不妊手術などの強制的な慣行が、女性に対して重大な結果を及ぼすことが明らかにされている。子を持つか持たないかという決定は、配偶者もしくはパートナーと相談の上なされる方が好ましいけれども、配偶者、親、パートナーもしくは国家により制限されるべきではない。安全で信頼できる避妊措置について十分に情報を得た上で決定するために、女性は、条約第 10 条(h)に規定されるように、避妊措置とその利用に関する情報を得、性教育及び家族計画サービスを享受する機会を保障されなければならない。



23. 生殖に関する任意の規制のための適切な措置が自由に利用できることにより、家族の構成員すべての健康、発展及び福祉が向上するという一般的な合意が存在する。さらに、かかるサービスは、国民の生活及び健康の質全般を改善し、また人口増大の任意の規制は、環境を保全し、持続可能な経済的及び社会的開発を達成することに役立つ。



31. 締約国は、また、とりわけ次のことも行うべきである。

(a)女性の健康に影響を及ぼすあらゆる政策及びプログラムの中心にジェンダーの視点を据え、また、かかる政策及びプログラムの計画立案、実施及びモニタリング、並びに女性に対する保健サービスの提供に女性を関与させること。

(b)セクシュアル・ヘルス及びリプロダクティブ・ヘルスの分野を含め、女性が保健のサービス、教育及び情報を享受する機会を阻害するあらゆる障害の排除を確保するとともに、とりわけ、HIV/AIDS を含む性感染症の予防及び治療のための思春期の若者向けのプログラムに資源を配分すること。

(c)家族計画及び性教育を通じて望まない妊娠の予防を優先事項とし、安全なマザーフッド・サービス及び産前の援助を通じて妊産婦死亡率を低下させること。可能な場合は、妊娠中絶を刑事罰の対象としている法律を修正し、妊娠中絶を受けた女性に対する懲罰規定を廃止すること。

(d)保健サービスを享受する平等の機会とケアの質を確保するため、女性に対する保健サービスの提供について、公的機関、非政府機関及び民間機関によるモニタリングを行うこと。

(e)すべての保健サービスに対して、自主性、プライバシー、秘密保持、インフォームド・コンセント、及び選択の権利を含む女性の人権との整合を要求すること。

(f)保健従事者の訓練カリキュラムに、とりわけジェンダーに基づく暴力をはじめとする女性の健康と人権に関するジェンダーに配慮した包括的な必修講座を含めることを確保すること。



第 16 条2

36. 1993 年6月 14 日から 25 日までウィーンで開催された世界人権会議により採択されたウィーン宣言及び行動計画(注 A/CONF.157/24(Part I), chap.Ⅲ)において、少女を差別し害を与える現行の法及び規制を廃止し、かつ慣習及び慣行を廃棄することが各国に要請されている。条約第 16 条2及び児童の権利条約の規定は、締約国が成年に達していない者の間の婚姻を承認もしくは有効とすることを禁じている。児童の権利条約の文脈において、「児童とは、18 歳未満のすべての者をいう。ただし、当該児童で、その者に適用される法律によりより早く成年に達したものを除く。」この定義にもかかわらず、ウィーン宣言の規定を考慮して、委員会は、婚姻最低年齢は男女ともに 18 歳とすべきであると考える。婚姻が締結されるとき、男女は重要な責任を引き受ける。従って、男女が完全な成熟度及び行為能力を取得するまで、婚姻は認められるべきではない。世界保健機関によれば、未成年者、特に少女が婚姻し子を持つことは、その健康に悪影響を及ぼし、教育は妨げられる。その結果として、女性の経済的自立が制限される。



37. このことは、女性の人格に影響を与えるばかりではなく、女性の技術の発展及び自立を制限し、雇用へのアクセスが困難になる。それにより、女性の家族及び共同体に悪影響を及ぼす。

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一般勧告第 24 号 (第 20 回会期、1999 年) (第 12 条: 女性と保健)

序論 1. 女子差別撤廃委員会は、リプロダクティブ・ヘルスを含む保健サービスを享受する機会は女子差別撤廃条約に基づく基本的権利であることを確認し、条約第 21 条に基づき、 同委員会第20回会期において、条約第 12 条に関する一般勧告を練り上げることを決定 した。

背景 2. 女性の健康と福祉にとって、締約国が条約第 12 条を遵守していることが重要である。このためには、締約国は、ライフサイクルを通じて、とりわけ家族計画、妊娠、分べんの分野及び産後の期間中において、保健サービスを享受する機会における女性に対する差別を撤廃することが求められる。条約第 18 条に従い締約国によって提出された報告を 検討すると、女性の健康は女性の健康と福祉を促進する上で重要な問題として認識されている課題であることが明らかである。締約国並びに女性の健康を巡る諸問題に特に関心を持ち、また懸念する人々のために、本一般勧告は、委員会の第 12 条の解釈を詳しく述べ、達成可能な最高水準の健康に対する女性の権利を実現するために差別を撤廃するための措置に取り組むよう努めるものである。

3. 最近の国連のさまざまな世界会議においても、これらの目標が検討された。本一般勧告 の作成に当たり、委員会は、国連の世界会議において採択された関連のある行動計画、とりわけ 1993 年の世界人権会議、1994 年の国際人口開発会議及び 1995 年の第4回世界女性会議の行動計画を考慮した。委員会はまた、世界保健機関 (WHO)、国連人口基金 (UNFPA)、その他国連機関の活動にも留意した。また、委員会は、本一般勧告の作成に当たり、女性の健康に関して特別な専門知識を有する数多くの非政府機関とも協力した。

4. 委員会は、他の国連文書が健康に対する権利並びに健康を達成することができる状況に 対する権利を重視していることに注目するものである。かかる文書は、世界人権宣言、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、児童の権利に関する条約及びあらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約を含む。

5. 委員会は、また、女性性器の切除、ヒト免疫不全ウイルス/後天性免疫不全症候群 (HIV/AIDS)、障害のある女性、女性に対する暴力、及び家族関係における平等に関する先の一般勧告にも言及する。これらはいずれも、条約第 12 条の完全なる遵守に不可欠な問題に関係するものである。

6. 女性と男性の生物学上の相違は、健康状態の違いをもたらす可能性があるとともに、女 性と男性の健康状態に決定的な影響を及ぼしたり、かつ女性の間でも異なる社会的要因がある。そのため、例えば移住女性、難民および国内避難民女性、少女及び女性高齢者、売春にかかわっている女性、先住民の女性、身体又は精神障害者の女性など、脆弱で不利な立場に置かれたグループに属する女性の健康にかかわるニーズ及び権利に特別な注意を払うべきである。

7. 委員会は、女性の健康に対する権利の完全な実現は、締約国が、地元の状況に適合した 安全で栄養に富んだ食料供給の手段によって、生涯にわたる栄養面での福祉に対する女性の基本的人権を尊重し、保護し、促進する義務を果たしたときにのみ、達成されうるものであることに留意する。この目的のため、締約国は、とりわけ農村女性のために生産資源への物理的及び経済的アクセスを促進し、その他、管轄区域内のすべての女性の栄養面での特別なニーズが満たされることを確保するための方策をとるべきである。


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第 12 条 1. 締約国は、男女の平等を基礎として保健サービス(家族計画に関連するものを含む。)を享受する機会を確保することを目的として、保健の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。

2. 1 の規定にかかわらず、締約国は、女子に対し、妊娠、分べん及び産後の期間中の適当な サービス(必要な場合には無料にする。)並びに妊娠及び授乳の期間中の適当な栄養を確保す る。

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8. 締約国は、女性の生涯にわたる健康の問題に取り組むことを奨励される。従って、本一 般勧告の目的においては、女性には思春期を含む少女が含まれる。本一般勧告では、条約 12 条の重要な要素についての委員会の分析を解説する。


重要な要素 第 12 条 (1)

9. 締約国は、自国の女性に影響を及ぼす保健に関するもっとも重大な問題について報告を 行うもっとも適切な立場にある。 従って、保健の分野における女子に対する差別を撤廃するための措置が適当なものかどうかを委員会が評価できるようにするため、締約国は、自国の女性のための保健に関する法律、計画及び政策について、疾病及び女性の健康と栄養に有害な状況の発生と度合い、並びに予防措置や治療措置の有用性と費用効果に関する男女別の信頼できるデータを添えて、報告しなければならない。 委員会に対する報告は、保健に関する法律、計画及び政策が、自国の女性の健康状態及びニーズの科学的及び倫理的な研究と評価に基づくものであり、民族、宗教又はコミュニティーによる差異あるいは宗教、伝統又は文化に基づく慣行を考慮に入れたものであることを実証しなければならない。

10. 締約国は、女性又は一定の女性グループに男性とは異なる影響を及ぼす疾病、健康状態 及び健康に有害な状況に関する情報、並びにこれに関連する可能な介入に関する情報を、 報告に盛り込むよう奨励される。

11. 女性に対する差別を撤廃するための措置は、保健制度に女性特有の疾病を予防、発見及び治療するためのサービスが欠けていては、不適当と考えられる。締約国が、女性のための一定のリプロダクティブ・ヘルス・サービスの実施を法的に定めようとしないことは、差別的である。例えば、保健サービスの提供者が、良心的反対理由によりかかるサービスの実施を拒否する場合には、女性に対しその代わりとなる保健サービス提供者を紹介することを確保するための措置が導入されるべきである。

12. 締約国は、保健サービスに関する政策や措置が女性のニーズ及び利益の視点から女性の 健康に関する権利にどのように取り組み、また、保健サービスが次のような男性とは異なる女性に特有な特徴や要素にどのように取り組むと理解しているかについて、報告するべきである:

(a)月経周期及び生殖機能や更年期など、男性とは異なる女性の生物学的要素。もう一例としては、性感染症に感染するリスクが女性の方が高いという問題がある。

(b)女性一般及びとりわけ一部女性グループにとってさまざまに異なる社会経済的要素。 例えば、家庭及び職場における男女間の不均衡な力関係は、女性の栄養及び健康に悪影響を及ぼすおそれがある。女性はまた、健康に影響を及ぼす様々な形態の暴力にさらされるおそれがある。思春期を含む少女は、多くの場合、年長の男性や家族による性的虐待を受けやすく、身体的及び精神的危害、望まない妊娠や若年妊娠の危険にさらされている。 女性性器の切除など一部の文化的又は伝統的慣行もまた、死や障害の高いリスクをもたらしている。

(c)女性と男性とで異なる心理社会的要素としては、鬱状態一般及びとりわけ産後の鬱状態、その他、拒食症や過食症などの摂食障害に至るものなどの心理状態がある。

(d)患者の秘密保持への配慮の欠如は、男性及び女性の双方に影響を及ぼすだろうが、女性に助言や治療を求めるのを躊躇させ、よって女性の健康及び福祉に悪影響を及ぼす 可能性もある。女性は、その理由から、生殖路の病気、避妊、あるいは不全流産に対して、並びに性的虐待や身体への虐待を受けている場合にも、医療を受けることに積極的ではなくなるだろう。


13. 男女の平等を基礎として、保健サービス、情報及び教育を享受する機会を確保するとい う締約国の義務は、女性の保健サービスに対する権利を尊重し、保護し、実現する義務を含意するものである。締約国には、法律、行政措置及び政策がこれらの 3 つの義務にかなうことを確保する責任がある。締約国は、また、効果的な司法措置を確保する制度を整備しなければならない。それを怠ることは、第 12 条の違反となる。

14. 権利を尊重する義務は、締約国に対し、女性が各自の健康の目標を追求する上でとる行 動を妨害することを控えるよう求めるものである。官民の保健サービス提供者が、保健サービスを享受する女性の権利を尊重するための自らの職務をどのように果たすかについて、締約国は、報告すべきである。例えば、締約国は、女性が夫、パートナー、親又は保健当局の許可を得ていないことを理由に、女性が未婚だからという理由で(注 一般勧告第 21 号、パラグラフ 29)、又は女性だからという理由で、女性が保健サービスを享受する機会、又は保健サービスを提供するクリニックを利用する機会を制約するべきではない。女性が適当な保健サービスを享受する機会を阻む他の障害には、女性だけに必要とされる医療処置を刑事罰の対象とする法律や、それらの処置を受けた女性を罰する法律などが含まれる。

15. 女性の健康に関連する権利を保護する義務とは、締約国、その機関及び公務員に対し、 民間の個人や組織による権利侵害を予防し、制裁を科すための措置を講ずることを求めるものである。ジェンダーに基づく暴力は女性にとって極めて重大な健康問題であることから、締約国は次のことを確保するべきである。

(a)女性に対する暴力及び少女への虐待に対処するための法律の制定と効果的な実施、及び保健に関する議案や病院の手続を含む政策の策定、並びに適当な保健サービスの提供。

(b)ジェンダーに基づく暴力が健康に及ぼした結果を発見し、管理できるようにするための保健従事者を対象とするジェンダー配慮の訓練。

(c)女性患者に対し性的虐待の罪を犯した保健専門家について、苦情申し立てを審理し、 適当な制裁を科す公正な対応手続。

(d)女性性器の切除及び少女の婚姻を禁止する法律の制定及び効果的な実施。


16. 締約国は、武力紛争の窮境にある女性や女性難民など、とりわけ困難な境遇にある女性 に対し、トラウマの治療やカウンセリングを含む十分な保護と保健サービスが提供され ることを確保するべきである。

17. 権利を実現する義務は、締約国に対し、女性が保健サービスを享受する権利を実現する ことを確保するために、利用可能な資源を最大限活用して適当な立法、司法、行政、予算、経済及びその他の措置を講ずる義務を課すものである。妊産婦死亡率及び罹病率が世界的に高いことや、 多数のカップルが家族の人数を制限したいと考えているが、あらゆる形態の避妊法へのアクセスが欠如していたり、あるいは利用していないなどの調査研究結果は、締約国が、女性の保健サービスを享受する機会を確保するという義務に違反している可能性を示唆する重大なものである。委員会は、締約国に対し、とりわけ結核や HIV/AIDS など、予防できる状況に起因する女性の病気の重大性について報告を行うことを依頼するものである。委員会は、締約国が、国の保健業務を民間機関に移転するに伴い、これらの義務を放棄しつつあることがますます明白となっていることを憂慮している。締約国は、これらの権限を民間セクターの機関に委任する又は移転することでこれらの分野における責任を免れることはできない。 従って、締約国は、女性の健康を増進し、保護するために公的権限が行使される政府のプロセスやあらゆる機構を組織化するために、これまでどのようなことを行ってきたかについて、報告するべきである。締約国は、第三者による女性の権利の侵害を阻止し、女性の健康を保護するために行われてきた積極的措置、並びにかかるサービスの提供を確保するために行ってきた措置に関する情報を含めるべきである。

18. HIV/AIDS 及びその他性感染症の問題は、性に関する健康(セクシュアル・ヘルス)に対 する女性及び思春期の少女の権利にとって重要である。多くの国では、思春期の少女及び女性は、セクシュアル・ヘルスを確保するために必要な情報及びサービスを享受する十分な機会を欠いている。ジェンダーに基づく不均衡な力関係の結果、女性及び思春期の少女は、多くの場合、セックスを拒否したり、安全で責任ある性行為を強く要求することができない。女性性器の切除、一夫多妻、並びに夫婦間のレイプなどの有害な伝統的慣行も、少女及び女性をHIV/AIDSやその他性感染症への感染の危険にさらしている。売春にかかわっている女性も、これらの疾病に対しとりわけ脆弱である。締約国は、偏見や差別することもなく、たとえ法律上は自国の居住者ではなくとも、人身売買された者を含め、すべての女性及び少女に対し、セクシュアル・ヘルスに関する情報、教育及びサービスに対する権利を確保するべきである。とりわけ、締約国は、女性のプライバシーと秘密保持の権利を尊重した特別に計画されたプログラムにおいて適切に訓練された職員によって行われるセクシュアル・ヘルス及びリプロダクティブ・ヘルス教育を享受する思春期の男女の権利を確保するべきである。

19. 締約国は、その報告において、第 12 条の遵守を実証するために、男女の平等を基礎とし て保健サービスを享受する機会を女性が有しているかどうかを評価するためのテストを特定すべきである。これらのテストを利用するにあたり、締約国は、 条約第1条の規 定に留意するべきである。従って、報告には、保健に関する政策、手続、法律及び議定 書が女性に及ぼす影響についてのコメントを男性の場合と比較して含めるべきである。

20. 女性は、提案されている手続や利用可能な代替策がもたらすと思われる便益や潜在的悪 影響を含め、治療又は研究に合意する上での自らの選択肢について、適切に訓練された職員から十分な説明を受ける権利を有する。

21. 締約国は、女性が保健サービスを享受する機会を得る上で直面する障害を排除するため にとられた措置、並びにかかるサービスを適時に手頃な料金で享受する機会を女性に確保するために締約国がどのような措置を講じてきたかについて 、報告するべきである。障害には、保健サービスの料金が高いこと、配偶者、親又は病院当局の事前の許可を必要条件にすること、保健施設から遠いこと、手軽な料金で便のよい公共交通がないことなど、女性が保健サービスを享受する機会を害する要件や条件が含まれる。

22. 締約国は、例えば、保健サービスを女性にとって満足のいくものとするなど、質の高い 保健サービスを享受する機会を確保するためにとられた措置についても、報告するべきである。 満足のいくサービスとは、 女性が完全なインフォームド・コンセントを与えることを確保し、彼女の尊厳を尊重し、彼女に秘密保持を保証し、また彼女のニーズと視点に配慮した方法で提供されるサービスのことである。締約国は、雇用条件としての合意によらない不妊、強制的な性感染症検査、あるいは強制的な妊娠検査など、インフォームド・コンセントや尊厳に対する女性の権利を侵害する形態の強制を容認するべきでない。

23. 締約国は、報告において、とりわけ家族計画に関連する、特にセクシュアル・ヘルスと リプロダクティブ・ヘルス一般に関連するさまざまなサービスを適時に享受する機会を確保するためにどのような措置をとってきたかを説明するべきである。あらゆる家族計画の方法に関する情報やカウンセリングをはじめ、思春期の若者の健康教育に特に注意を払うべきである(注 思春期の若者の健康教育は、とりわけ、男女平等、暴力、性感染症の予防、並びにリプロダクティブ及びセクシュアル・ヘルス・ライツにさらに取り組 むべきである。)

24. 委員会は、女性の方が男性より長寿であり、骨粗鬆症や痴呆など障害を引き起こし、退 化をもたらす慢性疾患に男性よりかかりやすいためだけでなく、女性は高齢の配偶者に対する責任を負っていることが多いことから、女性高齢者のための保健サービスの状況について憂慮している。従って、締約国は、加齢に関連する不利な条件や障害に対処する保健サービスを享受する機会を女性高齢者に確保するための適当な措置をとるべきである。

25. 障害のある女性は、あらゆる年齢層において、多くの場合、保健サービスを享受する物 理的困難を抱えている。精神的障害を持つ女性はとりわけ脆弱であるが、男女差別、暴力、貧困、武力紛争、混乱、及びその他の形態の社会的喪失の結果女性が不均衡に影響を受けやすくなっている精神的健康に対するさまざまなリスクについての理解は、一般に、限られたものである。締約国は、保健サービスが障害を持つ女性のニーズに敏感なものとなり、彼女らの人権と尊厳を尊重することを確保するための適当な措置を講ずるべきである。


第 12 条 (2)

26. 報告は、妊娠、分べん及び産後の期間中に関して適当なサービスを女性に確保するため に締約国がどのような措置をとったかについても含めるべきである。 また、これらの措置が、各締約国全般において、またとりわけ脆弱なグループ、地域及びコミュニティにおいて、妊産婦の死亡率及び罹病率を低減した割合についての情報も、含まれるべきである。

27. 締約国は、女性のために安全な妊娠、分べん及び産後の期間を確保するために必要な場 合には無料のサービスをどのように提供するのかについて、報告に含めるべきである。多くの女性は、産前、分べん及び産後のサービスを含む必要なサービスを獲得する又は享受するための資金がないため、妊娠に関連するさまざまな原因から死や障害の危険にさらされる。 委員会は、安全なマザーフッド・サービス及び産科救急医療に対する女性の権利を確保することは締約国の義務であることを強調するものであり、締約国は、これらのサービスに最大限の利用可能な資源を配分するべきである。


条約のその他関連条項

28. 条約第 12 条を遵守するためにとられた措置について報告する際には、条約の女性の健康に関係する他の条項との相関性を認識するよう、締約国に促すものである。それらの条 項とは、家庭についての教育に、社会的機能としての母性についての適正な理解を含めることを確保するよう締約国に要求している第5条(b)、教育の分野における平等の権利を確保し、よって女性が保健サービスをより容易に享受できるようにし、多くの場合若年の妊娠を原因とする女子学生の中途退学率を減少させるよう締約国に要求している第 10 条、家族の健康及び福祉の確保に役立つ特定の教育的情報(家族計画に関する情報及び助言を含む)を締約国は女性及び少女に提供することを定めている第 10 条(h)、ひとつとして、生殖機能の保護、妊娠中の有害な種類の作業からの特別の保護、及び有給の母性休暇の提供を含む労働条件における女性の安全衛生の保護に関する第 11 条、適当な保健サービス(家族計画に関する情報、カウンセリング及びサービスを含む)を享受する機会を農村の女性に確保することを締約国に要求している第 14 条 2(b)、及び疾病の予防と保健の向上に重要である適当な生活条件(特に、住居、衛生、電力及び水の供給、運輸並びに通信に関する条件)を確保するためのすべての適当な措置をとることを締約国に義務づけている第 14 条2(h)、並びに子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもって決定する男性と同一の権利、並びにこれらの権利の行使を可能にする情報、教育及び手段を享受する男性と同一の権利を女性に確保するよう締約国に要求している第16 条 1(e)である。また、第 16 条 2 は、若年の出産から生じる身体的・精神的傷を予防する上で重要な要因である児童の婚約及び婚姻を禁止している。


政府のとるべき行動に対する勧告

29. 締約国は、女性の健康を生涯にわたり増進するための包括的な国家戦略を実施するべき である。これは、女性に影響を及ぼす疾病や状況の予防及び治療、並びに女性に対する暴力への対応を目的とした介入を含み、これによって、セクシュアル及びリプロダクティブ・ヘルス・サービスを含む質の高い手頃な値段のあらゆる保健サービスを享受する普遍的機会がすべての女性に確保されるであろう。

30. 締約国は、女性と男性の異なる保健に関するニーズを考慮して、保健関連の総予算額の 中で女性の健康が男性の健康に充てられた予算割り当ての割合に匹敵する割合を充当さ れることを確保するために、十分な予算、人的資源及び行政資源を配分するべきである。

31. 締約国は、また、とりわけ次のことも行うべきである。

(a)女性の健康に影響を及ぼすあらゆる政策及びプログラムの中心にジェンダーの視点を 据え、また、かかる政策及びプログラムの計画立案、実施及びモニタリング、並びに 女性に対する保健サービスの提供に女性を関与させること。

(b)セクシュアル・ヘルス及びリプロダクティブ・ヘルスの分野を含め、女性が保健のサ ービス、教育及び情報を享受する機会を阻害するあらゆる障害の排除を確保するとと もに、とりわけ、HIV/AIDS を含む性感染症の予防及び治療のための思春期の若者向 けのプログラムに資源を配分すること。

(c)家族計画及び性教育を通じて望まない妊娠の予防を優先事項とし、安全なマザーフッ ド・サービス及び産前の援助を通じて妊産婦死亡率を低下させること。可能な場合は、 妊娠中絶を刑事罰の対象としている法律を修正し、妊娠中絶を受けた女性に対する懲 罰規定を廃止すること。

(d)保健サービスを享受する平等の機会とケアの質を確保するため、女性に対する保健サ ービスの提供について、公的機関、非政府機関及び民間機関によるモニタリングを行 うこと。

(e)すべての保健サービスに対して、自主性、プライバシー、秘密保持、インフォームド・ コンセント、及び選択の権利を含む女性の人権との整合を要求すること。

(f)保健従事者の訓練カリキュラムに、とりわけジェンダーに基づく暴力をはじめとする 女性の健康と人権に関するジェンダーに配慮した包括的な必修講座を含めることを確 保すること。

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以下より抜粋

https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/kankoku1-25.pdf





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